【目的】終末期がん患者の死亡場所の希望と実際の一致を促進する可能性のある,訪問看護師による予後理解を促す支援の実施の促進要因を明らかにする.【方法】無作為抽出した全国1,000事業所の訪問看護師に,無記名質問紙調査を実施した.【結果】374名のうち,予後理解を促す支援をした割合は27.8%であった.予後理解を促す支援の実施の促進要因は,医師による患者への余命の告知あり(オッズ比3.22: 95%信頼区間1.81-5.73),予後理解を促す支援は看護師が説明すべきと認識している(2.12: 1.02-4.43),患者へ予後理解を促す支援の必要性を認識している(1.54: 1.08-2.21),1年間のがん患者の自宅看取り数が5人以上(1.78: 1.04-3.05)であった.【結論】患者の希望死亡場所の実現を目指し,訪問看護師による予後理解を促す支援の実施を促進するためには,上記4項目の推進の必要性が示された.
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