Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
短報
原発性および転移性肝腫瘍に対する緩和照射についての後方視的検討
亀井 千那伊藤 慶早川 沙羅鄭 陽鈴木 梢東 有佳里田中 桂子
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2021 年 16 巻 1 号 p. 13-17

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抄録

肝腫瘍に対する緩和照射はその有用性を示唆する研究が散見されるものの,本邦では症例報告すら乏しい状況である.本研究の目的は,肝腫瘍由来の疼痛に対する緩和照射の効果を明らかにすることである.2014年12月から2016年11月の間に都立駒込病院で,原発性もしくは転移性肝腫瘍が原因と考えられる疼痛に対して肝臓への緩和照射を行った症例を後方視的に検討した.計15症例が8Gy1分割の緩和照射を受けており,照射前後で疼痛のNumeric Rating Scale(NRS)を評価していた12例全例で低下を認めた.Grade 3以上の急性期有害事象はみられなかった.肝腫瘍由来の疼痛に対する緩和照射は,症状の緩和に有効で忍容性もある可能性が示唆された.

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© 2021日本緩和医療学会
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