Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
進行がん患者の遺族が経験する多剤併用および内服薬に関する体験や認識に関する調査
阿部 健太郎三浦 智史藤城 法子沖崎 歩吉野 名穂子青木 茂内藤 明美真野 泰成齊藤 真一郎山口 正和森田 達也
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2021 年 16 巻 1 号 p. 85-91

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抄録

【目的】進行がん患者の遺族からみた多剤併用の状況と内服負担に関する体験や認識を明らかにする.【方法】がん患者の遺族303名に自記式質問票を郵送し,回答を得た.1回6錠以上の内服を多剤併用群,1回6錠未満の内服を非多剤併用群とし,内服負担や体験,認識について単変量解析を行った.102名の結果を解析した(有効回答率33.7%).【結果】多剤併用群(65名)は,非多剤併用群(37名)よりも遺族が患者の内服負担を感じた割合が高値であった(43.1% vs 10.8%,p<0.01).内服負担が少ない服用方法としては,現状よりも1回の服用錠剤数を減らしたいと希望していた.多剤併用群の遺族は,内服薬が多いことの懸念が強く,医療者からの内服薬に関する説明や相談できる医療者を希望していた.【結論】医療者は,服薬状況の確認とともに薬に関する家族の懸念についても十分に配慮する必要があることが示唆された.

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© 2021日本緩和医療学会
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