Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
症例報告
手術療法が困難と考えられた低栄養状態の悪性消化管閉塞に対し,審査腹腔鏡手術および小腸瘻造設術を行うことで経口摂取が可能となった1例
大塚 康二 桂 一憲三谷 尚弘野添 大輔田上 和麿前川 絢子菅原 登加賀 敬子平野 拓司
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電子付録

2023 年 18 巻 2 号 p. 153-158

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抄録

悪性腫瘍に伴う悪性消化管閉塞(malignancy bowel obstruction: MBO)に対する治療としては,手術療法,消化管ステント留置,経鼻胃管や経皮内視鏡的胃瘻造設術,薬物療法などが知られている.酢酸オクトレオチドなどの薬物治療を行う場合は経口摂取ができなくなり,かつ持続点滴静注が必要となることから,患者のQuality of Life(QOL)を著しく低下させる.今回外科および緩和医療科を含めた多職種カンファレンスを行い慎重に検討を重ね,酢酸オクトレオチド持続投与中で低栄養のMBOの患者に対し審査腹腔鏡手術を行い,MBOの重症度や進行状況を把握することで緩和手術として小腸瘻造設術を選択し施行することができた.その結果,一時的に経口摂取が可能となり患者のQOLを改善させることができた.

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© 2023 日本緩和医療学会
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