Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
外来化学療法における看護師のがん治療継続を再考する時期の判断と行動
前田 智美京田 亜由美 飯嶋 友美神田 清子
著者情報
キーワード: がん, 化学療法, 再考, 外来, 看護師
ジャーナル フリー HTML

2023 年 18 巻 4 号 p. 273-281

詳細
抄録

現在のがん看護において,病期の進行に伴い化学療法継続かどうかの意思決定支援が課題である.本研究は外来化学療法室看護師が治療継続を再考する時期と判断する際の視点と行動を明らかにすることを目的に,看護師14名にフォーカスグループインタビューを実施し,内容分析の手法を参考に分析した.判断の視点は[患者の望む生き方が尊重されているか][患者が望む日常生活を送れ,QOLが維持できるか]などの4カテゴリーが形成された.行動は[傾聴を重ね,患者の望む生き方が叶うよう,今後の治療への向き合い方を共に考え検討する][適切な時期に治療中断への介入が行えるように,看護師間で協力する]などの3カテゴリーが形成された.外来化学療法室看護師は,臨床倫理の視点で日々の看護を行い,患者の望む生き方が尊重されているかを判断していた.また,タイミングを逃さず介入するために医療スタッフ間の連携を大切にしていることが示唆された.

著者関連情報
© 2023 日本緩和医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top