【背景】緩和ケア病棟におけるソーシャルワーカーの支援の状況は,十分明らかになっていない.【目的】本研究の目的は,(1)緩和ケア病棟におけるソーシャルワーカーの介入状況と支援内容の現状を明らかにすること,(2)遺族支援に関する関連要因を明らかにすることの2点である.【方法】緩和ケア病棟の支援を担当するソーシャルワーカーを対象に,自記式質問紙調査法を実施した.【結果】緩和ケア病棟におけるソーシャルワーカーの介入状況ならびに支援内容についての全体像が把握できた.また,遺族支援については,ソーシャルワーカーとしての経験や,緩和ケア病棟での実践経験など,経験に関係する要因の関連性がわかった.【結論】緩和ケア病棟においてソーシャルワーカーが充実した支援を展開するには,ソーシャルワーカーとしての経験や緩和ケア病棟での実戦経験を積み重ねることが重要であり,また,それを可能とする職場の環境整備も必要である.