Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
肺がん患者を対象とした麻薬性鎮痛薬勉強会の実施効果
中島 誠加藤 浩充後藤 拓也松本 修一石井 沙代鱸 稔隆佐野 公泰加藤 達雄酒々井 眞澄杉山 正
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2011 年 6 巻 1 号 p. 109-118

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抄録
【目的】肺がん患者が持つ麻薬性鎮痛薬に対する負のイメージの払拭と, 正しい知識の啓蒙を目的として集団勉強会を実施し, 麻薬性鎮痛薬に対する認識と, 勉強会の実施効果を調査した. 【方法】勉強会への参加同意が得られた肺がん入院患者を対象に薬剤師による麻薬性鎮痛薬に関する勉強会を実施した. 勉強会前後にアンケート調査を行った. 【結果】60名の参加患者から回答が得られた. 負のイメージに関連した設問, 麻薬性鎮痛薬の知識に関連した設問のすべてにおいて勉強会後には認識の改善, 知識の向上が認められた. 【考察】勉強会により負のイメージを完全に払拭することはできなかったが, 勉強会は患者教育を行ううえで1つの有用な手法であると考えられた. 患者が麻薬性鎮痛薬導入に抵抗を感じることは, 疼痛緩和医療の遅れをきたしQOLの低下を招くおそれがあるため, 事前に正しい知識を啓蒙しておくことが必要であると考えられる. Palliat Care Res 2011; 6(1): 109-118
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© 2011 日本緩和医療学会
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