Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
遺族サポートグループにおける参加者の心理プロセスとその促進要因に関する質的研究
大和田 攝子大和田 康二加山 寿也城下 安代
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2013 年 8 巻 2 号 p. 254-263

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抄録
本研究の目的は, 緩和ケア病棟が主催する遺族サポートグループの参加者における心理プロセスとその促進要因について検討することである. 全12回のセッションの中で12名の参加者によって語られた言語データを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによって分析し, グループに参加することで彼らの中に生じた変化や, グループが及ぼす影響について検討した. その結果, 145の概念, 20のサブカテゴリー, 7のカテゴリーが生成され, 参加者の心理プロセスが明らかになった. 全体的な流れとして, 【死別後の生活上の困難】【故人に対する想いの表出】【現実生活の情報交換】【死別後のナラティブの再編】【体験を通した悲嘆反応の客観化】【死別後の肯定的変化】という一連の過程が見出され, 【グループ相互作用によるエンパワメント】がそれらの変化の促進要因となっていることが示唆された.
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© 2013 日本緩和医療学会
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