抄録
【目的】全国の緩和ケア病棟の施設概要と利用状況の10年間の変化と平均在棟日数との関連を検討した. 【方法】日本ホスピス緩和ケア協会が緩和ケア病棟延べ998施設に行った調査資料を2次利用した. 【結果】利用状況の2001年度と2011年度の比較では, 入院や死亡退院数が増加し(119±55名, 163±78; 99±44名, 136±58), 平均在棟日数が減少した(48±15日, 39±15). 平均在棟日数の短い緩和ケア病棟は, 入院や死亡退院数が多く(≦30日, 31~60, ≧61の順に, 213±83名, 151±66, 83±25; 164±60名, 131±55, 85±25), 死亡退院割合や病床利用率が低かった(81±13%, 88±11, 92±7; 76±13%, 82±11, 86±13). 【結論】緩和ケア病棟の施設概要と利用状況の経年変化や平均在棟日数の短い施設の特徴が明らかとなった.