2013 年 8 巻 2 号 p. 376-387
【目的】がん疼痛緩和において, 適切な鎮痛薬を選択するために患者が訴える痛みに関する表現語とオピオイド効果との関係を評価し, 表現語から鎮痛薬選択が可能な新しい疼痛評価シートを提案する. 【方法】表現語を『がん疼痛の薬物治療に関するガイドライン』に基づき3つのクラスに分類したうえで, オピオイド鎮痛薬の有効率との関連性を図式化し, クラスター分析により表現語をグループ化した. その結果をもとに簡便な評価シートを考案し, 患者および薬剤師によりその妥当性を評価した. 【結果】クラス分類を行うことで, 表現語とそれに対するオピオイド鎮痛薬の有効率との関係を整理することができた. また, クラスター分析により表現語をグループ化することで, 疼痛評価シートの作成に利用できた. 【結論】痛みの表現語にはさまざまなものがあるが, クラス分けおよび有効率に基づいた分類を行うことで, 表現語から適切な鎮痛薬選択のための疼痛評価シートを提供できた.