Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
がん診療におけるQOLと生存期間の優先順位の検討─乳がん患者・医師・メディカルスタッフの比較
谷山 智子清水 千佳子垣本 看子小林 典子Saad Everardo
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 9 巻 3 号 p. 101-109

詳細
抄録
【目的・方法】がん診療において治療法の優先順位に関する認識を明らかにするため, 乳がん患者, 医師, メディカルスタッフを対象にアンケート調査を行った. 調査項目は1)がん告知後の治療法選択, 2)悪性度の高いがんに対する年齢設定別の治療選択, 3)生存期間(survival time; ST)と生活の質(quality of life; QOL)の異なる治療法の選択とした. 【結果】1)がん告知後の治療法選択について, 医療者より患者の方が, STとQOLのどちらを重視するかがはっきりしている傾向にあった. 2)医師は患者やメディカルスタッフと比べて高齢者に対してもSTを重視する傾向にあった. 3)患者と医師はSTを重視し, メディカルスタッフはQOLを重視する傾向にあった. 【結論】患者と医療者はがん診療に対し異なった意識をもっている可能性があり, その意識の違いを認識する必要がある.
著者関連情報
© 2014 日本緩和医療学会
次の記事
feedback
Top