抄録
【背景】食道がんの術後は多様な症状・徴候があり, 長期的な外来でのケアが重要であり, 看護師が行う外来の看護ケアを明らかにする必要がある.【目的】胸部食道がん根治術後患者に対する外来での看護ケアの実態を明らかにする.【方法】2009年1月~2010年12月にかけ, 外来の看護ケアについて記載された診療録を前向きに調査し, 質的記述的分析を行った. 【結果・考察】66名の対象患者の診療録から, 外来の看護ケアに関する記録単位は372であり, 12カテゴリ, 74コードに分類された. 看護師は, 患者のもつ形態・機能の変化に伴う症状・徴候をアセスメントするとともに, 患者の主体的なセルフモニタリングを活用していた. 術後回復過程に合った栄養摂取と身体活動の促進のため, 系統的なプログラムを開発する必要が示された.【結論】今後,胸部食道がん術後回復促進のためのプログラムを考案したい.