Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
在宅終末期がん患者家族介護者の死別後の成長感と看取りに関する体験との関連
佐野 知美草島 悦子白井 由紀瀬戸山 真理子玉井 照枝廣岡 佳代佐藤 隆裕宮下 光令河 正子岡部 健
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 9 巻 3 号 p. 140-150

詳細
抄録
【目的】在宅で終末期がん患者の看取りを体験した家族(主介護者)の死別後の成長感の実態と, 成長感と看取り体験との関連を明らかにする. 【方法】在宅緩和ケアを受け, 自宅でがん患者を看取った主介護者112名を対象に, 自記式質問紙郵送調査を行った. 成長感は死別経験による成長感尺度を用い測定した. 【結果】有効回答73名(66%)を分析し, 病死による死別経験のある一般成人と比べ, 自宅で看取った主介護者は, 死別後に高い成長感をもつことが明らかになった. 重回帰分析の結果, 成長感に関わる看取り体験の要因として「看取りの覚悟」「故人の自宅療養の希望」「故人との絆の深まり」「亡くなる時の安らかさ」がおもに挙げられた. 【結論】療養場所や看取りについて十分に納得のいく主体的な選択ができ, 患者との絆の深まりに配慮し, 最期まで安らかでいられるような支援が, 死別後の生活の支えになるような成長感の獲得につながることが示唆された.
著者関連情報
© 2014 日本緩和医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top