抄録
【目的】外来通院中のがん疼痛患者の痛みを緩和するために, 初回の服薬指導だけでなく電話を利用した通院日以外の継続的な患者教育を行うことで, がん疼痛および副作用発現頻度に及ぼす効果について検討した. 【方法】介入方法は, 新規導入時(1回目面談), 導入後3~7日以内(2回目電話), 次回受診時(3回目面談)とした. 評価項目として疼痛評価(NRS), レスキュー回数, 副作用(便秘, 悪心, 眠気)とし, 各段階における効果を比較した. 【結果】1日の最大の痛みは1回目と比べて2回目および3回目において有意に低下した. レスキューの服用回数および1日のオピオイド服用量は, 2回目と比べて3回目で有意に増加し, 便秘の発現頻度は有意に減少した. 【考察】オピオイド導入時だけでなく通院日以外の日に電話による教育を取り入れた継続的な薬剤師介入は, 外来通院中のがん患者の疼痛の緩和および副作用の減少に効果があることが示唆された.