2020 年 45 巻 4 号 p. 340-345
後頭蓋窩腫瘍に伴う水頭症14例について,疾患背景,臨床経過,画像所見,診断,永続的水頭症の有無をもとに,術後水頭症発生の予測因子を検討した.初回手術時の水頭症治療は腫瘍摘出手術単独が5例,脳室ドレナージ術8例,内視鏡的第3脳室開窓術+脳室ドレナージ術1例だった.2例が永続的水頭症となりVPシャントの追加を要した.年齢2歳未満,部分摘出,播種の存在が永続的水頭症と相関した.小児後頭蓋窩腫瘍に伴う水頭症の多くは十分な腫瘍摘出により,一時的脳室ドレナージ術で管理可能と考えられた.