2022 年 47 巻 4 号 p. 377-381
視床下部過誤腫によるてんかんに対する定位温熱凝固術について,早期治療の効果を検討した.手術時18歳以下の症例中,5歳以下(学童期前群)73例と6歳以上(学童期群)79例で比較した.学童期前群はより大規模な手術を要し,再手術率も高かったが,合併症率には有意差はなかった.笑い発作の消失率は,学童期群に比べ有意に低く,また発達改善も学童期群より有意に低かった.早期手術は比較的安全だが,効果がより優れているわけではなく,個々の症例で適切な手術時期の検討が必要と考えられた.