2023 年 48 巻 1 号 p. 52-57
外傷性視神経症の治療は,主にステロイド大量療法,視神経管開放術などが行われているが,多数の議論が行われてきたものの,経過観察も含め標準治療は定まっていない.外傷性視神経症の症状は急速な視力低下であるが,視力評価は意識障害がある場合や小児では困難となり得る.当科で経験した14歳男児,眼窩から視神経管にかけて外側壁が骨折し,骨片を開頭手術で除去し視力が改善した症例を報告する.また,外傷性視神経症の診断のポイントと視神経管開放術,主に脳神経外科医が中心となって行う経頭蓋アプローチについて述べる.