2023 年 48 巻 3 号 p. 295-302
Ventriculo-femoro-atrial shunt(VFA shunt)を行った難治性水頭症の1例を経験した.症例は6歳1か月女児.出生半年後に生じた水頭症に対して,VP shunt施行.半年後に多量の腹水を来し,VA shuntを行った.5年後,成長に伴い心房カテーテルが上大静脈に逸脱しシャント不全を生じた.左上大静脈遺残があったため,左内頚静脈経由でのVA shuntの再建は困難であった.最終的に行ったVFA shuntは事例が極めて少ないものの,治療の1選択肢となりうる.