2025 年 50 巻 3 号 p. 33-39
外視鏡システムとマルチディスプレイを活用した情報統合システムの小児脳神経外科手術での使用経験を報告する.外視鏡は,術者が自然な姿勢を保ちながら,高精細な術野を確保できる利点がある.さらに,三次元融合画像やナビゲーション画像を同一視野に表示することで,複雑な解剖構造の理解が容易となり,術中判断やチーム内での情報共有に大きく寄与する.また,術者視点をリアルタイムで共有できる点は教育的価値が高く,経験することの少ない小児領域においては,貴重な手術経験の蓄積と後進育成に有用と考える.