周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第11回
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シンポジウム A:多胎の諸問題
多胎妊娠症例に対する予防的Shirodkar氏頸管縫縮術の有効性に関する検討
関 博之高木 章美斉藤 正博黒牧 謙一飯野 好明高田 真一石原 理竹田 省木下 勝之柿沼 亮太小川 雄之亮佐藤 和雄
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p. 19-23

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抄録

 はじめに

 多胎妊娠の頻度は,Hellinの式によれば1/80n-1といわれているが,わが国における多胎妊娠の頻度はそれよりやや低く,およそ100例に1例の割合と考えられている1)。しかし近年,hMG-hCG療法による排卵誘発法やIVF-ETの普及により,多胎妊娠は増加傾向にある。事実,不妊症・不育症治療センターであり,かつ地域の周産期センターの機能も果たしている当科においては,一昨年の多胎妊娠の頻度はおよそ30例に1例,昨年は22例に1例と極めて高くなっている。

 多胎妊娠の問題点は産科異常,新生児異常の多いことであるが,特に早産未熟児の出生は問題であり,これを予防することが多胎妊娠管理の主題と考えられる。そこで,切迫早産のための入院期間を短縮し,早産を予防することを目的として,妊娠初期より管理しえた多胎症例全例に予防的Shirodkar氏頸管縫縮術を施行し,その有効性を検討するために,予防的Shirodkar氏頸管縫縮術を施行した群(A群)と,予防的Shirodkar氏頸管縫縮術が施行できなかった群(B群)との成績を比較した。

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© 1993 日本周産期・新生児医学会
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