周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第18回
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シンポジウム第 2 部
パルボウイルスB19母子感染による胎児障害機構の動物実験モデルを用いた検討
千坂 泰八重樫 伸生岡村 州博菅村 和夫
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p. 73-81

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抄録

 はじめに

 ヒトパルボウイルスB19(以下B19と略)は,直径20nm前後の球形でエンベロープを持たない一木鎖DNAウイルスである。B19感染における受容体は血液型物質の一つであるP抗原であることが知られており赤芽球系細胞に好んで感染する。近年,この感染の特異性がB19母子感染による胎児水腫や子宮内胎児死亡の原因と深く関わっていることが報告されている1)。しかし,疫学的研究やin vitroにおける研究が主なものであり動物実験による直接的な証明はいまだなされていない。また,その発症機転には,B19の非構造蛋白(nonstructural protein 1, NS1)の細胞障害活性が関与すること,またその組胞障害活性はアポトーシスによることが報告されている2)

 これらのことを踏まえて,この研究のなかで,われわれは胎仔赤芽球系細胞に特異的に発現する転写因子のプロモーターの下流にNS1遺伝子を組み込み,赤芽球系細胞特異的にNS1を発現する遺伝子導入マウスを作製し解析した。さらに,NS1には強い細胞障害活性があることが知られ,この遺伝子を直接マウスに導入した場合には胎生致死となり継代が不可能になることが考えられたため,Cre-loxP系という部位特異的遺伝子組み換え系を応用した。

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© 2000 日本周産期・新生児医学会
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