周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第2回
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シンポジウム II: 中枢神経系の先天奇形とその取り扱い
小児内科の立場から
黒柳 允男
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p. 102-113

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抄録

 I 無脳症(anencephaly)

 出生後はもちろん,出生前においても本症の診断は容易である。

 出生後の外観はわずかに後脳(hind brain)を中心とする神経組織(neural tissue)が後頭部に残されているのみで,グロテスクな“ひきがえる様”と表現される顔貌を呈する(図1a, b)。

 ところで新生児期の中枢神経系の先天奇形の中では,本症が最も頻度が高く(表1),欧米では本邦に比較して2~3倍の高率で発症することはよく知られている1)。幸か不幸か本症は生後2~3日以内に死亡するので,延命させるべきかどうかなどの倫理的間題は少ない。

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© 1984 日本周産期・新生児医学会
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