周産期学シンポジウム抄録集
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Print ISSN : 1342-0526
第2回
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シンポジウム II: 中枢神経系の先天奇形とその取り扱い
中枢神経系先天奇形の出生前診断とその取り扱いについて
竹内 久彌
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p. 85-101

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抄録

 I はじめに

 頭部は,触診によっても,あるいはX線映像法によっても,大きな球状の頭蓋骨が良好な目標となって,胎児部分のなかでは最も早くから明瞭に認識されるものである。しかも,分娩の際には胎児部分中で最大の部分として重要な意味をもつことからも,頭部異常の出生前診断は古くから関心のもたれていたところといえよう。

 そのうえに,中枢神経系の先天異常の出生前診断に関して,最近二つの進歩がみられた。その一つはα-fetoprotein(AFP)測定による神経管欠損(neural tube defect; NTD)のスクリーニング法の開発であり,他の一つは超音波断層法による各種の頭部奇形の早期診断法の進歩である。特に後者は胎児治療という新しい方向への応用も加わって,一層の進歩が期待されている。

 そこで,本稿では中枢神経系の先天奇形の出生前診断とその取り扱いについて,AFPによるスクリーニングに簡単に触れ,主として超音波断層法による診断と取り扱い法の進歩について述べることとした。

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© 1984 日本周産期・新生児医学会
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