周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第2回
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シンポジウム II: 中枢神経系の先天奇形とその取り扱い
新生児期における二分脊椎の治療経験
藤谷 健箕倉 清宏須方 肇鶴原 常雄大笹 幸伸楠田 聡
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p. 142-146

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抄録

 I はじめに

 二分脊椎とは先天的な脊椎骨の癒合不全を総称するが,脊椎管外への髄膜あるいは神経成分の脱出の有無により,嚢胞性二分脊椎spina bifida cysticaと潜在性二分脊椎spina bifida occultaとに大別される。嚢胞性二分脊椎では脊髄・神経の障害の程度や水頭症,筋骨格などの合併奇形の有無により,その臨床像は軽微なものから手術適応が問題となる重篤な例まで多彩であるが,いずれの場合にも出生直後~新生児期での適確な治療方針が必要である。一方,潜在性二分脊椎はまったく無症状に経過し,特別な治療を必要としない例が多いが,なかには脊髄脂肪腫lipomyelomeningoceleや皮膚洞dermal sinusなどが合併し早勉神経麻痺症状をあらわすため,早期の診断,治療が望まれる。そこで今回,われわれの施設において経験した新生児二分脊椎を報告し,治療上の問題点について考察する。

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© 1984 日本周産期・新生児医学会
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