主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:母児の予後からみた娩出のタイミング
回次: 22
開催地: 愛知県
開催日: 2004/01/23 - 2004/01/24
p. 11-18
はじめに
preterm PROM(pPROM)は早産原因の約30%を占めている。また,pPROMは子宮内胎児炎症や,脳室周囲白室軟化症,慢性肺疾患の原因となり,新生児予後に深く関与しているが1),いまだ明確な管理方針が定まっていない。妊娠32週未満のpPROMの管理として重要なことは,胎児成熟のために妊娠期間の延長を図る一方で,子宮内炎症がある場合は,早期に児を娩出しなければfetal inflammatory response syndrome(FIRS)をきたし予後不良となることから,児の娩出のタイミングは非常に難しい。すなわち,妊娠32週未満のpPROMでは単に妊娠期間を延長させるのではなく,いかにFIRS発症のリスク症例を抽出し早期に児を娩出させるかが重要と考えられる。
今回我々は,まず新生児予後からみたpPROMにおけるリスク因子の抽出を後方視的に行い,次にそのリスク因子である羊水過少例に対して積極的に産科的介入を行うことにより,新生児予後が改善されるかにつき前方視的検討を行った。