主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:母体・胎児・新生児の心肺機能低下時の反応と対応
回次: 24
開催地: 埼玉県
開催日: 2006/01/20 - 2006/01/21
p. 65-69
要旨
胎児水腫の原因はさまざまであるが,胎児水腫を呈する胎児の予後はきわめて不良であることが広く知られている。しかし胎児水腫を呈した胎児が母体に及ぼす影響についてはあまり知られていない。高度な胎児水腫において母体に全身の浮腫,貧血,低蛋白血症を呈し,さらに重症例では肺水腫にいたり母体死亡の危険性が高くなることがある。この病態は胎児の状態を反映して母体に影響が及ぶことからMirror症候群とよばれるが,胎児水腫の症例の頻度は少なく,Mirror症候群と類似した妊娠高血圧症候群と間違われ過少評価されることも多く,この疾患の概念は一般的でない。ここでは胎児水腫に伴う母体肺水腫(Mirror症候群)の発症機序と母体管理について当センターでの経験も踏まえて述べる。