周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第24回
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シンポジウム午後の部
胎児水腫に伴う母体肺水腫(Mirror症候群)の発症機序と母体管理
林 聡左合 治彦久保 隆彦北川 道弘名取 道也
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p. 65-69

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抄録

 要旨

 胎児水腫の原因はさまざまであるが,胎児水腫を呈する胎児の予後はきわめて不良であることが広く知られている。しかし胎児水腫を呈した胎児が母体に及ぼす影響についてはあまり知られていない。高度な胎児水腫において母体に全身の浮腫,貧血,低蛋白血症を呈し,さらに重症例では肺水腫にいたり母体死亡の危険性が高くなることがある。この病態は胎児の状態を反映して母体に影響が及ぶことからMirror症候群とよばれるが,胎児水腫の症例の頻度は少なく,Mirror症候群と類似した妊娠高血圧症候群と間違われ過少評価されることも多く,この疾患の概念は一般的でない。ここでは胎児水腫に伴う母体肺水腫(Mirror症候群)の発症機序と母体管理について当センターでの経験も踏まえて述べる。

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© 2006 日本周産期・新生児医学会
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