周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第29回
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シンポジウム午後の部:胎児・新生児の麻酔と鎮静
胎盤吻合血管レーザー凝固術における胎児不動化のためのレミフェンタニルの至適投与量の検討
入駒 慎吾大島 正行角倉 弘行
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p. 91-94

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抄録

 目的

 胎児治療の中でも,双胎間輸血症候群(twin-to-twin transfusion syndrome:以下TTTS)に対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(fetoscopic laser photocoagulation:以下FLP)は有効な治療法として認められている1)(図1)。しかし,その最適な麻酔法はいまだ確立されていないのが現状である。

 2005年Van de Veldeらによって脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(Combined spinal epidural anesthesia:以下CSEA)で母体の鎮痛を行い,レミフェンタニルの経母体投与で胎児の不動化を図る麻酔プロトコルの有用性が報告された2)。その中ではレミフェンタニルの投与速度を正確に調節すれば,母体の呼吸抑制を回避でき,かつ胎児の不動化が得られるとされている。

 当施設でもTTTSに対するFLPの麻酔法は,Van de Veldeらと同様にCSEAとレミフェンタニルの併用で行っている。今回,当施設のTTTSに対するFLPにおいて,胎児の不動化を目的に経母体的に投与したレミフェンタニルの至適投与速度の検討を行ったので報告する。

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© 2011 日本周産期・新生児医学会
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