主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:成熟児のasphyxiaとcerebral palsy
回次: 31
開催地: 大阪府
開催日: 2013/01/25 - 2013/01/26
p. 37-41
Cardiotocogram(CTG)は,分娩中の胎児の状態を評価し,その健常性を確保するため欠かすことのできない検査である。しかし,胎児心拍数陣痛図の解釈にはさまざまな問題点が指摘されている。代表的なものには,①健常であることは診断できるが,胎児機能不全と診断しても,しばしば胎児低酸素症になっていない,②異常と正常な波形が交互に出現する,③検査者内,検査者間の再現性が低いことなどが挙げられる。こうした問題に対し,日本産科婦人科学会では胎児心拍数波形のレベル分類を導入し,解釈とその対応の標準化を試みている。
本稿では最新の情報を踏まえ,基本的な用語の解釈,胎児心拍数波形のレベル分類を用いた胎児機能不全の診断とその対応,さらにはその有用性と限界について解説する。