周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第33回
会議情報

プレコングレス
近赤外線を用いた生体計測
―原理から臨床応用まで― 光と周産期医学
山下 豊
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 27-32

詳細
抄録

 はじめに

 生体組織に近赤外の短パルス光を照射し,その時間応答特性から吸収物質濃度を定量する計測法は,時間分解分光法(time-resolved spectroscopy:TRS)とよばれる1)。一般の組織酸素モニター2, 3)は,組織内を多重散乱した光の光路長を同定できないため,吸光度,あるいは吸収物質濃度の相対的な変化を得ている。これに対して検出光子の光路長分布を測定する時間分解分光法は,組織の吸収と散乱を分離して求めることができ,吸収物質濃度の定量が可能となる。ここでは近赤外の光の生体内伝播について概説し,さらにわれわれが組織酸素代謝モニターとして開発した時間分解分光システム(TRS-20)4)を紹介する。

著者関連情報
© 2015 日本周産期・新生児医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top