主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:周産期の炎症と感染〜長期予後改善を目指して〜
回次: 33
開催地: 静県岡
開催日: 2015/01/23 - 2015/01/24
p. 27-32
はじめに
生体組織に近赤外の短パルス光を照射し,その時間応答特性から吸収物質濃度を定量する計測法は,時間分解分光法(time-resolved spectroscopy:TRS)とよばれる1)。一般の組織酸素モニター2, 3)は,組織内を多重散乱した光の光路長を同定できないため,吸光度,あるいは吸収物質濃度の相対的な変化を得ている。これに対して検出光子の光路長分布を測定する時間分解分光法は,組織の吸収と散乱を分離して求めることができ,吸収物質濃度の定量が可能となる。ここでは近赤外の光の生体内伝播について概説し,さらにわれわれが組織酸素代謝モニターとして開発した時間分解分光システム(TRS-20)4)を紹介する。