抄録
Gait Solution により歩行中の「荷重の受け継ぎ」の機能を補助した際の非麻痺側運動制御変化(1歩行周期の時間因子・同時収縮指標)の過程を縦断的に検討することを目的とした.対象は,維持期片麻痺者3名とし,実験方法にはシングルケースデザインの AB 法を採用した.結果は,2名が非麻痺側両脚支持期2の時期で同時収縮指標が減少した.また,その変化の過程には個人差があり,Gait Solution への適応に時間がかかる症例が存在した.本研究の結果は,片麻痺歩行の麻痺側の機能的役割を補うことで,相対する非麻痺側運動制御が変化することを示唆し,十分な変化を期待するには一定期間の使用経験が必要と考えられた.