抄録
下肢切断者に対するソケット,膝継手,足部・足継手は近年著しい進歩がみられる.大腿および下腿義足ソケットではシリコーン素材を中心としたライナーを用いる比率が高くなっており,これらを用いることにより断端のボリュームの調整もある程度容易に行え,断端の傷の管理面でも良好なものといえる.膝継手では,立脚相制御としてバウンシング機構,イールディング機構を用いた立脚相で安定性の高い制御機構のものが多く用いられるようになってきている.足部・足継手では,選択の幅が広がっているが,価格,活動レベル,重量などを考慮して選ぶ必要がある.義足のパーツは,個々のパーツ選択というよりは総合的な義足全体としてのバランスを考え,選択されるべきである.