2013 年 29 巻 4 号 p. 212-216
義手を製作する際に大事なことは,使用目的である.義手は決して万能なものではなく人間の手の機能を全て持たせることはできないが,対象者にとって目的となる動作を行う時には便利で必要なものである.それぞれの対象者の様々な目的によって,ソケット形状や義手の形式などを身体状況・断端の状態を評価しながら変えていく必要があり,それぞれに対応していく必要がある.選択した義手の能力を活かすためにも,ソケットの適合を良くしていくことが義肢装具士としての役割の1つである.これまでの経験をもとに,上腕義手・前腕義手・手義手のソケット製作について紹介する.