2014 年 30 巻 1 号 p. 20-26
筋ジストロフィーは,病勢の進展に伴い筋力低下や関節可動域制限など,全身性に様々な障がいを生じ,かつ重症化する.四肢や体幹に対して適切な時期に装具を作製することは,患者のQOLを維持することにつながる.本稿では,立位や歩行をアシストするためのKAFO, 足関節の内反尖足変形予防あるいは足部を保護するためのAFO, 脊柱や胸郭変形を予防するための座位保持装置を含む体幹装具について述べる.作製の際には装具の目的を明確にし,患者やその家族に装具のリスクや限界などについて,事前にインフォームド・コンセントを行うべきである.装具の導入は,運動機能のみならず,心理面や生活場面など多角的に考慮することが重要である.