抄録
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の移動能力の維持を図るためには,下肢機能障害に対する装具療法が重要である.また,ADL能力に大きな影響を及ぼす頸部・体幹機能障害に対する装具療法の役割も欠かせないと考えられる.しかしながら,装具療法を進めていく際には,ALSという疾病の特性を踏まえ,装具製作時期や使用期間についてなど,検討すべき課題が多い.患者のQOL向上を図るためには,診断確定時期を含めた早期からの装具療法への取り組みを考慮し,ALS患者が装具を導入しやすい医療サポート体制の構築が必要であると考える.