抄録
日本リハビリテーション医学会(以下,日本リハ医学会)が設立された50年前を振り返ると,我が国の義肢装具サービスの現状は海外先進国に比較して大きく遅れていた.この現状を打開するために,日本リハ医学会と日本整形外科学会の両義肢装具委員会が協働して,医師・義肢装具士の教育・資格制度,義肢装具部品の規格標準化,JIS用語,義肢装具の価格改正などに取り組み,国際的にも優れた義肢装具サービスを整備できた.これは多くの先人のご努力の賜物であり,その経緯を報告する.国際的にも,日本義肢装具学会をはじめとして多くの学術団体の総力を挙げた活動により,第6回ISPO世界大会(神戸)の開催,アジア義肢装具学会の始動,アジアにおける義肢装具士養成施設の設置などを行い,国際的にも大きな評価を受けている.これまでの国際的な活動経緯について報告する.