抄録
骨軟部腫瘍とは,骨に生じる骨腫瘍と,筋肉や脂肪など軟部組織に生じる軟部腫瘍の総称で,悪性の場合には骨や筋肉の切除が行われるため義肢や装具の必要頻度は高い.特に悪性骨腫瘍の場合には,かつては切断が多く行われていたが,最近の30年は人工関節による再建がほとんどであり,短期使用を含めるとほぼ全例装具の使用が必要となる.しかし,個々の症例の病巣部位,手術アプローチの方法,骨や筋肉の切除範囲などは千差万別であり,装具もそれに応じて様々な工夫が必要とされる.本稿では手術部位ごとに当科にて使用している装具とそのポイントを紹介する.