抄録
本研究は,当院回復期リハビリテーション病棟入院の脳卒中患者における短下肢装具(以下,AFO)作製時期と,入院中の機能的自立度評価法(Functional Independence Measure : 以下,FIM)の得点との関係性について検討することを目的とした.対象は当院回復期リハビリテーション病棟に入院し,AFOを作製した脳卒中患者36名を対象とした.方法は装具完成までの期間が3週間の20名をA群,3週間を超えた16名をB群に分け比較した.(当院における早期AFO作製は最短で3週間を要し,その内訳はブレースクリニック,採型,完成納品である.)結果,A群において移動,運動,総合計FIM利得(退院時FIM−入院時FIM)が,B群より有意な向上を認めた.また,移動FIM利得の向上は入院期間の短縮と相関関係を示した.本調査結果より,移動·運動·総合計FIM利得が高かった群は,早期にAFOを処方されていたことがわかった.