抄録
脊髄損傷の対麻痺者の歩行再建用に開発されたReWalkTMは,外骨格フレームを持つロボット下肢装具である.傾きセンサーが体幹の動きを捉えてモーターの駆動を行い,歩行を実現する.ReWalkTM自身にはバランスをとる機構がないことから,使用者はロフストランド杖を用いてロボットの動きを制御する方法を学ぶ必要がある.約20時間程度の基礎的なトレーニングで,起立,椅子への立ち座り,ターン,室内での歩行が可能となる.脊髄損傷者が長時間の立位をとることは,身体的な,また精神的な健康の維持改善に有益であることは既によく知られている.ロボット下肢装具が,日常生活の中で立位や歩行を容易にする一手段として発展することが期待される.