抄録
歩行アシストは,股関節の屈曲伸展をアシストするトルクを発生させることで歩行比を大きくする装着型の歩行支援ロボットである.装着は簡便で,歩行練習の場所に制約を受けないため,臨床的に使用しやすい機器である.即時効果として,若年健常者では,歩行のエネルギー効率のみ向上したが,脳卒中患者では,PCIや平均歩幅·歩行比で有意な差を認めた.また脳卒中患者に対する2週間連続使用では,歩行速度が60 m/分未満の群で歩行速度·歩行率·歩幅の改善を認め,対照群との比較では歩幅や歩行比の増加傾向を認めた.回復期リハビリテーション病棟における,効果的な使用方法の検証がさらに必要である.