2016 年 32 巻 1 号 p. 59-64
X線撮影は,整形外科疾患の画像診断の基本である.装具療法に関わる専門職は装具療法の適応や治療経過を議論するためX線写真を理解すべきであるが,最近まで医師以外がX線写真を見る機会はあまりなかった.以前は,1枚しかないX線写真をシャーカステン上で評価していたため,医師に割り込んでX線写真を見ることに抵抗があったが,最近は電子カルテ上でX線写真を見ることが可能となり,X線写真はとても身近になった.しかしながら,いざX線写真を見ようとすると,X線写真に関する成書は非常に多く,途方に暮れてしまう.今回,X線写真による診断が必要で,上肢·下肢·体幹の装具療法に関するガイドライン推奨度が示されている疾患を中心にまとめたので,日常の診療に役立てば幸甚である.