2016 年 32 巻 3 号 p. 186-189
本研究の目的は,上肢用の単関節型HAL® (single joint type of Hybrid Assistive Limb : HAL-SJ)に対して2種類の上肢支持装具を用いる有用性を検討することである.当院で脳卒中上肢リハビリテーションにHAL-SJを用いた中で,その支持装具としてポータブルスプリングバランサー(portable spring balancer : PSB)とHAL-SJ卓上固定器具(HAL-SJ tabletop mount : HSTM)の両方を使用した8例を対象とした.評価内容はBrunnstrom recovery stages (BRS)と対象者の印象による主観的評価,HAL-SJモニター上の電位波形などを比較検討した.その結果,BRS III·IVの場合はPSBに比べてHSTMの印象が良い結果となった.電位波形では,PSBは伸筋優位に,HSTMは屈筋優位に検出される傾向があった.それぞれの支持装具に特徴があり,麻痺の程度や使用目的に応じてテーラーメイドな治療を選択する必要がある.