日本義肢装具学会誌
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特集 パラリンピック最前線
ウィルチェアーラグビーとその専用車椅子について
三山 慧三阪 洋行三山 剛史
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2016 年 32 巻 4 号 p. 242-248

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抄録

ウィルチェアーラグビーは,四肢に障害のある人たちができるチームスポーツとして1977年にカナダで誕生した.2000年のシドニーパラリンピック(第11回夏季大会)からはパラリンピック正式競技となっており,現在では世界40カ国以上に普及している.日本代表チームは,リオのパラリンピックでメダルが期待されるチームとなっている.このウィルチェアーラグビーのルール,用いられる競技用車椅子の特徴について説明を行った.握力のない選手が車椅子を漕ぐための工夫,ボールをキープするための工夫など,特に四肢に障害がある選手が競技をする上での様々な工夫があることを示した.競技では車椅子によるアタックが行われるため,競技用車椅子に大きな衝撃力が加わる.その大きさを調べるために行った実験結果についても述べた.その結果,1台の車椅子が止まっていて,そこに3.5m/secのスピードで車椅子が衝突する場合,35kN程度の力がバンパーに加わっていることがわかった.

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© 2016 日本義肢装具学会
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