2018 年 34 巻 4 号 p. 291-298
悪性腫瘍(以下,がん)患者はがんによる障害とがんの治療による障害を生じる.そのため,リスク管理や二次的合併症の予防は重要である.これらを予防するために,福祉機器の活用が有効であるが,不適切な福祉機器の使用や誤った使用方法は,患者に不快感を生じさせたり,新たなリスクを発生させることになる.そこで本稿では,実際の終末期がん症例を通して,適切な福祉機器の選択や正しい使用方法を紹介する.また,病状が変化していく中で,患者や家族が安心した生活を送るために医療者として重要である「シームレスアプローチ」についても紹介する.