2019 年 35 巻 3 号 p. 192-198
以前の医療·リハビリテーションにおいて立位保持や歩行に比べて,座位保持の注目度は低く,障害が重度の場合は寝たきりの生活を強いる結果となっていた.小児に対する姿勢保持機器や褥瘡予防クッションの発展,寝たきり対策の政策としての車椅子上座位の推奨,座位関連機器の支給体制が整備されていくにつれて,関連機器を最適化することで座位姿勢を改善するシーティングが重要視されるようになった.シーティングでは多面的対応が求められる中で,チーム医療対応の専門診であるシーティングクリニックが開診されていった.シーティングクリニックについて諸外国や本邦における成り立ちや当センターを中心とした運営内容とともに,現状の課題や今後の展望について概説する.