2019 年 35 巻 3 号 p. 225-228
中高年を迎えた血友病患者の関節の痛みと装具の使用状況を把握し,今後どのような援助が必要になるか検討することを目的に,血友病リハビリ検診会に参加した27名を対象に調査を行った.そのうち21名でいずれかの関節に血友病性関節症の指摘を受けていた.痛みの自覚は,足関節,肘関節,膝関節の順に多く,手関節の痛みの訴えは少なかった.装具の使用状況は,4名が痛みの自覚はないが装具を使用していた.9名で関節の痛みを自覚して装具を使用していた.肘関節装具および足関節装具で使用中断例が多くみられた.今後は,装具使用の中断に至った理由の詳細を調査し,継続的に使用が可能な装具デザインの検討を行っていく必要があると考える.