2020 年 36 巻 1 号 p. 12-15
オルソレンは分子量100万以上の超高密度ポリエチレンであり,靭性が高く,溶融粘度がきわめて高い.そのため熱成形加工には高度の加工技術を要する.段階的な切削で可撓性を調整できる特性を生かし,症状に応じた尖足防止用の固定装具から歩行用のよりダイナミックな装具にまで使用することができる.サブオルソレンは分子量50万の高密度ポリエチレンである.熱成形加工が容易で加熱による収縮も少ないのが特徴で,厚みが一定で安定した製品を製作することができる.急性期の治療用短下肢装具や,曲げ応力の掛かりにくいコルセット,両側支柱付き装具のカフなどに用いられることが多い.