電子制御膝継手は,著しく進歩し,未来思考でみると,「失われた部分」には義足構成要素のテクノロジー進化により今後,「無限の可能性」が広がっているともいえる.そのシャワー効果が,臨床現場までさらに届くことを,強く期待する一方で,現実思考でみると,私たちが日々向き合う切断者は,リスクの高い糖尿病·血管原性切断者と虚弱高齢切断者であることに主眼を置かねばならい(2025年団塊世代·後期高齢者).今後,医療従事者は,それらを見据え補装具制度,費用対効果を熟知したうえでの義肢チームによるリハビリテーションを再考し,電子制御膝継手が,青壮年期の切断者だけではなく,糖尿病·血管原性を起因とした虚弱高齢切断者や重度障がい者(両側大腿切断等)にとっても機能改善に貢献するかどうか,知見の蓄積を行っていかねばならない.