日本義肢装具学会誌
Online ISSN : 1884-0566
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原著
剪断力·圧力センサを用いた筋電義手の誤作動の検証
吉村 学妹尾 勝利井上 桂子富山 弘基鴨生 賢悟
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キーワード: 筋電義手, 誤作動, 剪断力, 圧力
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2020 年 36 巻 2 号 p. 130-137

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抄録

本研究は,健常者が装着可能な模擬義手ソケットを作製し,肘関節屈曲伸展時の電極と皮膚間の剪断力と圧力の測定から,筋電義手の誤作動の要因を検証した.対象は健常成人14名とし,模擬義手ソケット内の,(1) 外側電極位置(外側部),(2) 肘頭から2.5 cm上部(肘頭上部),(3) 内側電極位置(内側部)の3カ所に小型で薄型の剪断力·圧力センサを貼付して測定した.肘関節屈曲伸展時の剪断力は,各部位で0.3 N以下と低値であり,電極が皮膚からずれることで誤作動が起きているとは考えにくい結果であった.一方,圧力は内側部が外側部に比べ有意に低かった.この結果は,外側部に比べて内側部は断端との接触不良を起こしやすいことを示し,筋電義手の誤作動の要因の1つになることが示唆された.

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© 2020 日本義肢装具学会
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