2020 年 36 巻 3 号 p. 162-167
山岳登山ブームの中,遭難者の増加が問題になっている.本稿では,このことを受け開発している山岳登山者見守りシステムを紹介する.LPWAと5Gという2つの通信システムをハイブリッドで利用し,遭難の発生を自動的に判定して安全·迅速に救助することを目的としている.このシステムは,健常者はもちろん,高齢者や義肢装具利用者にはさらに重要な意味を持ち,登山を諦めていたより多くの人たちが,安全に登山を楽しめるようになることもめざしている.実際に駒ヶ根市役所の協力を得て中央アルプスで実証実験を行い,システムが想定通りに動作することと,システムの高い有用性を示すことができた.