日本義肢装具学会誌
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原著
簡易的な足底装具の評価方法について
小川 淳夫
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2022 年 38 巻 1 号 p. 60-64

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抄録

足底装具の客観的適合評価を行い,調節をしてから装着することによって,アーチ高率の不足による装具の機能不足やアーチ高率の過大による痛み,そして傷の防止が可能であると考えられた.一般整形外科に通院する患者30人60足を対象とし,立位静止時における,裸足時と足底装具装着時の足長とMP幅の差を計測した.足長において,装具装着時の方が右で2.9±1.7 mm, 左で3.1±1.8 mmの短縮を確認した.そしてMP幅において,装具装着時の方が右で2.6±2.7 mm, 左で3.5±3.1 mmの短縮を確認した.なお,MP幅の計測は29人58足を対象とした.これらは,足底装具を装着することによって,アーチの落ち込みを防止し,足長とMP幅の短縮ができたと考えられた.足底装具装着前後の足長とMP幅の変化量は,適合評価の参考値として位置付けられた.臨床で短時間に安価な計測機器で行える客観的評価方法について報告をする.

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© 2022 日本義肢装具学会
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